よく知らないでフリースクールを選ぶのはよろしくないですね。
いい面もあれば、問題点だってありますので、本記事でしっかり把握して、考えてみてくださいね。
フリースクールとは?
フリースクールは、日本において主に不登校の子どもたちに向けた代替教育機関として知られています。
学校教育法による規定に従わないため、文部科学省の定める学校とは異なり、自由な教育方針や独自のカリキュラムを採用できることが特徴です。
このため、一般的な学校では適応が難しいと感じる子どもたちや、個別の支援が必要な生徒にとって、安心して学べる場として注目されています。
しかしながら、フリースクールは日本ではまだ発展途上であり、公的支援の不足や教育内容の信頼性に関する課題も存在します。
フリースクールが抱える主な問題点
フリースクールは多様な教育環境を提供する一方で、問題点も抱えています。
僕なりに考えてみると、大きく以下の3つです。
フリースクールの問題点
- 教育の質と認定の問題
- 運営資金と持続可能性
- 社会的認知と理解不足
教育の質と認定の問題
まず大きな問題として挙げられるのが、教育の質と認定の問題です。
フリースクールでは、法律に基づいたカリキュラムが定められておらず、各校が独自の方針で授業を構成しています。
この柔軟性がメリットである一方で、内容や教育レベルのばらつきが大きく、教育の質や信頼性に対する保護者や社会の不安を招いています。
公立学校であれば、一律のカリキュラムに従って教育を受けられるし、教員採用試験という門を潜り抜けた先生たちが揃っているので、教員の質も概ね担保されています。
フリースクールでは、そういった品質の担保がないんですよね。
また、公立学校とは異なり、フリースクールでの学習は『学歴』として認定されないケースが多いのも事実です。
その結果、卒業証書が取得できないことから、将来の進学や就職において不利になる場合もあります。
運営資金と持続可能性の問題
次に、運営資金と持続可能性の問題も深刻です。
フリースクールの多くは、保護者からの授業料や寄付に頼って運営しているため、資金調達が安定せず、継続的な運営が難しいことが否めません。
文部科学省からの支援も限定的であるため、公的な資金援助の不足しがちです。
このように、質の高い教育を提供するためのリソース確保が課題となっています。
社会的認知と理解不足
さらに、社会的認知と理解不足もフリースクールの大きな問題点です。
日本社会では、義務教育の一環としていわゆる従来の『学校』に通うことが一般的とされており、フリースクールの存在やその目的に対する理解がまだ十分ではありません。
そのため、一般社会では『学校に通わない』という選択肢に対する偏見が残っており、フリースクールに通う子どもたちやその家庭が孤立することがあります。
結果的に、フリースクールに通おうという人がなかなか増えずに、フリースクールの普及が妨げられていると考えられます。
通学する生徒とその家庭が直面する問題
フリースクールに通う生徒やその家庭も、多くの問題に直面しています。
ポイント
- 将来の進路選択における影響
- 家庭負担と心理的プレッシャー
将来の進路選択における影響
まず、将来の進路選択における影響が大きな懸念です。
フリースクールでの学びが正式な学歴として認められない場合が多く、公立・私立の学校とは異なり、高校や大学進学、さらには就職の際に『学歴』として評価されにくいという課題があります。
進学を希望する場合、保護者や生徒は独自に受験対策を行う必要があり、その負担は決して軽いものではありません。
フリースクールを卒業後、社会にどう進出できるのかが見えにくいため、保護者も子どもの将来に対して不安を感じてしまうのです。
経済的な負担
次に、経済的な負担も大きな課題です。
一般的な公立高校、例えば神奈川県の場合は、年額で12万円程度です(2024年11月)。
月に1万円程度です。
一方、フリースクールは概ね月に5万円程度の授業料がかかります。
文科省の取り組みの記事でも例を挙げましたが、フリースクールは公的支援が少ないため、家庭の経済的負担が増えることが多く、通学費や授業料の捻出が必要です。
政府や自治体の支援における問題
フリースクールの発展と生徒の学習環境向上には、政府や自治体の支援が不可欠です。
しかし、現状ではフリースクールに対する公的支援が十分に行き届いておらず、いくつかの課題が生じています。
ポイント
- 助成制度の不足
- 教員制度の未整備
- 公立学校との連携の欠如
助成制度の不足
まず、助成制度の不足が問題です。
多くのフリースクールが独自の財源で運営しているため、持続的な運営には困難が伴います。
現在、文部科学省は一部の不登校支援に対して助成金制度を設けていますが、制度適用の範囲が限られており、フリースクール全体の経済的支援にはつながっていません。
フリースクールを学校制度の一つと考えたら、税金による補填も学校並みにしてもいいんじゃないでしょうか。
教員制度の未整備
また、教員制度の未整備も課題です。
フリースクールにおけるスタッフは、必ずしも教員免許を持っているわけではありません。
心理士やスクールカウンセラーがいる場合もありますが、教科を教える先生の統一的な採用・育成制度がないのです。
質の担保にもつながるので、そういった『フリースクールの教員免許』を制度化してもいいんじゃないかと思います。
公立学校との連携の欠如
さらに、公立学校との連携の欠如も見過ごせません。
フリースクールは公立学校に代わる学びの場として設立されているものの、連携する体制は十分とは言い難いです。
つまり、生徒がスムーズにフリースクールへ移行したり、フリースクールから公立学校に戻ったりすることが、スムーズにはいかないのが現状です。
この結果、生徒や保護者にとっても学びの場としての信頼性が確立しにくい現状があります。
まとめ
本記事では、フリースクールの問題点を整理してみました。
以下にまとめます。
本記事のポイント
- フリースクールが抱える主な問題点として以下を指摘
- 教育の質と認定の問題
- 運営資金と持続可能性の問題
- 社会的認知と理解不足
- 通学する生徒とその家庭が直面する問題として以下を指摘
- 将来の進路選択における影響
- 経済的な負担
- 政府や自治体の支援における問題として以下を指摘
- 助成制度の不足
- 教員制度の未整備
- 公立学校との連携の欠如