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校内フリースクールという第三の居場所

2024年10月19日

校内フリースクールという第三の居場所
校内フリースクールというものがあるらしいんだけど、どういう制度なんだろう?

 

フリースクールですら、まだあまり認知がないですから、『校内フリースクール』となれば気になりますよね。

 

本記事では、校内フリースクールについて、事例を交えてわかりやすく解説していきます。

 

ぜひ最後まで見ていってくださいね。

 

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校内フリースクールとは?

校内フリースクールとは?

校内フリースクールとは?

 

校内フリースクールの概要

校内フリースクールとは、通常の学校教育の一環として、主に不登校生や学校生活に困難を抱える生徒たちのために設置された特別な学習スペースを指します。

 

従来から、文科省の通知を受けて、不登校に対する支援が拡充されていました。

 

その一例として、『フリースクール』が挙げられています。

 

ただ、従来のフリースクールは、学校外独立した施設を設けて、教育機会を提供するものでした(フリースクールの解説記事)。

 

一方、校内フリースクールはその名の通り、学校内に存在します。

 

この形式の導入により、生徒が学校という環境から完全に離れることなく、自分に合った学習やサポートを受けられるようになっています。

 

校内フリースクールは、通常の授業に参加できない、または参加しづらい生徒たちが、自分のペースで学習できる場を提供するもので、教職員や専門のカウンセラーが個別に対応します。

 

また、学習だけでなく、生徒の心理的サポートや生活指導も行われるため、心身のケアにも重点が置かれています。

 

通常のフリースクールとの違い

通常のフリースクールは学校に通うことが難しい生徒が利用するため、学校からは独立した機関として運営されます。

 

一方、校内フリースクールは、公立学校や私立学校の中に設けられ、教育機関としての一貫性を保ちながら運営される点が大きな違いです。

 

この形式を取ることで、生徒は学校と完全に切り離されることなく、柔軟に学び続けることができます。

 

さらに、校内フリースクールは、通常のカリキュラムに沿った学習も提供されることが多いため、従来のフリースクールに比べて、卒業資格の取得が容易です。

 

学校外のフリースクールでは、卒業資格の取得が難しい場合もありましたが、校内フリースクールでは、この点が大きく改善されています。

 

このように、校内フリースクールは、学校という場所にありながら、従来の教育の枠にとらわれない学びを提供する新しい形の教育支援モデルとして注目されています。

 

校内フリースクールの役割とメリット

校内フリースクールの役割とメリット

校内フリースクールの役割とメリット

 

不登校生へのサポート

校内フリースクールの最大の役割は、不登校や学校生活に困難を抱える生徒たちをサポートすることです。

 

不登校の原因は、学業の遅れ、いじめ、家庭環境、精神的なストレスなど多岐にわたります。

 

従来の学校環境では対処しきれないこれらの問題に対し、校内フリースクールは柔軟な対応を可能にします。

 

特に、学校を完全に離れることなくサポートが受けられる点が生徒や保護者にとって安心感を提供します。

 

校内フリースクールでは、生徒一人ひとりに合わせた学習計画を立て、個別のペースで進めることができるため、生徒は焦らずに自分に合った方法で学ぶことができます。

 

また、専門のカウンセラーやサポートスタッフが常駐し、心理的なケアやコミュニケーションのサポートを行うことで、精神的な負担を軽減します。

 

これにより、生徒が再び学校生活に戻るための準備が整えられるのです。

 

個別学習の柔軟性

もう一つの大きなメリットは、個別学習が可能であるという点です。

 

校内フリースクールでは、標準的なカリキュラムに必ずしも縛られず、生徒の興味やニーズに応じた柔軟な学習プランが組まれます。

 

たとえば、得意分野を深めたり、苦手な科目に集中して取り組んだりすることで、生徒自身が主体的に学びを進めることができます。

 

このように、学校のシステム内で柔軟な学びを提供できることが、校内フリースクールの大きな強みです。

 

さらに、デジタル教材やオンライン学習ツールも活用されることが多く、ICTを利用した現代的な教育手法も取り入れられています。

 

保護者や学校との連携

校内フリースクールのもう一つのメリットは、保護者や学校との連携が取りやすい点です。

 

校内にあるため、担任の教師や学校のカウンセラーとも密に連絡を取りながら、生徒の状況を把握し、適切なサポートを提供することができます。

 

また、保護者とのコミュニケーションもスムーズに行われ、子どもの学習進捗や心理的な変化を共有することが容易です。

 

これにより、家庭と学校、フリースクールの三者が協力して生徒をサポートできる体制が整えられます。

 

この連携の強さが、校内フリースクールの効果をさらに高め、より包括的な教育支援を可能にします。


 

校内フリースクールの実例

校内フリースクールの実例

校内フリースクールの実例

 

茨城県笠間市

茨城県笠間市では、市内の公立中学校6校で校内フリースクールを開設しました。

 

校内フリースクールへの通級を希望する生徒を受け入れ、学習支援学級復帰支援を行います。

 

端末を使って、自分のクラスとオンラインでつなげられるので、学習の機会も適切に得られます。

 

しっかりと出席扱いとなるので、進級や卒業の不安も払拭できます。

 

担任の先生だけでなく、支援員や心理士、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーとも連携して支援してもらえます。

 

横浜市山内小学校

横浜市山内小学校では、校長先生の方針で校内フリースクールを運営しています(山内小の紹介記事)。

 

SDGsっぽいですが、『誰一人取り残さない』をスローガンにしており、校内フリースクール『あったかハート』を開設したそうです。

 

家でもない、教室でもない、その真ん中にある場所です。

 

『安住の地』だけれど、いずれ教室に戻ってほしいから、『永住の地』ではないのです。

 

あったかハートでの活動は結構フレキシブルで、昼から登校したり、45分間の授業時間を20分間に短縮して、残り時間はゆっくり過ごすなど、さまざまです。

 

成果としても、毎日あったかハートに通っていた生徒が半年ほどで教室に戻るなどの事例が生まれきているそうです。

 

校内フリースクールの課題

校内フリースクールの課題

校内フリースクールの課題

 

校内フリースクールにも課題があります。

 

本格的な健闘は研究や論文にゆずるとして、一つ大きな課題があるんです。

 

それは、支援員の確保です。

 

茨城県つくば市でも校内フリースクールを始めたいのですが、支援員の確保に苦労しているようです(つくば市の記事)。

 

教員資格を持っていることを要件にしていることもありますが、十分な人数を確保できていないようです。

 

校内フリースクールという空間を確保したら終わりではなく、寄り添ってくれる支援員によって『居場所』を作っていく必要がありますからね。

 

人材不足の日本での普遍的な課題だと思います。

 

まとめ

本記事では、校内フリースクールとはどういったものかを、事例を交えてお伝えしました。

 

以下にまとめます。

 

  • 本記事のポイント

    • 校内フリースクールとは
      • 主に不登校生や学校生活に困難を抱える生徒たちのために設置された特別な学習スペース
      • 学校教育の一環なので、校内フリースクール登校すれば出席扱いにできる
    • 校内フリースクールのメリット
      • 【不登校生へのサポート】自分のペースで学習できるし、支援員やカウンセラーなどのケアを受けられる
      • 【個別学習の柔軟性】生徒の興味やニーズに応じた学習プランを組めるし、ICT機器などの利用でサポート
      • 【保護者や学校との連携】学校と家庭、カウンセラーなどが連携して生徒をケアできる
    • 校内フリースクールの事例
      • 茨城県笠間市の中学校等6校
        • 担任の先生だけでなく、支援員や心理士、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーとも連携して、学習支援や学級復帰支援を実施
      • 横浜市山内小学校
        • 『誰一人取り残さない』をスローガンにして、校内フリースクール『あったかハート』を創設
        • 半年で学級に復帰するなどの成果が出始めている
    • 校内フリースクールの課題
      • 教師や支援員の不足

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