科捜研(科学捜査研究所)ならドラマで有名ですが、科警研(科学警察研究所)は確かにベールに包まれていますよね。
ただ、科学警察研究所に興味を持ったあなたはお目が高い!
科学を愛するすべての人に開かれた仕事ですので、ぜひ一緒に見ていきましょう。
はじめに
科学警察研究所とは?
科学警察研究所は、日本における犯罪捜査の専門研究機関で、警察庁の管轄下にあります。
1947年に設立され、犯罪捜査に必要な科学技術の研究開発や法科学に関する教育・訓練を行っています。
ドラマでよく出てくる『科捜研(科学捜査研究所)』との違いを挙げておきますね。
種別 | 科学警察研究所 | 科学捜査研究所 |
領域 | アカデミックな研究寄り | 現場寄り |
管轄 | 警察庁の附属機関 | 警視庁や都道府県警の附属機関 |
身分 | 研究員は国家公務員 | 研究員は地方公務員 |
科学警察研究所の役割と重要性
科学警察研究所の主な役割は、科学技術を駆使して犯罪の解明と防止を支援することです。
具体的には、DNA鑑定、指紋分析、法医学的検査などの高度な技術を用いた証拠分析や、犯罪現場での科学捜査支援を行います。
また、新しい犯罪手法に対抗するための技術開発や、警察官に対する専門的な教育・訓練も実施しています。
これらの活動は、犯罪の迅速かつ正確な解決に直結し、社会の安全と治安の維持に欠かせないものです。
このように、科学警察研究所は、その専門性と技術力により、法執行機関のバックボーンとして重要な役割を担っています。
科学警察研究所の職員になるための基本要件
必要な学歴
科学警察研究所の職員になるには、通常は大学卒業以上の学歴が求められます。
特に、理工学系や法医学、化学、物理学などの関連分野での学士号、修士号、あるいは博士号を取得していることが望まれます。
そして欲を言えば、高い学力です。
なぜなら、国家公務員試験を突破しなければならないからです。
もっと欲を出すと、科学警察研究所では高度な専門知識と技術が必要とされるため、大学や大学院での専門的な教育が重要です。
研究所では実践的な能力が重視されるため、大学での研究活動やインターンシップの経験も評価されると考えられます。
必要な資格とスキル
科学警察研究所の職員になるためには、ベースとなる問題解決能力や論理的思考力に加えて、特定の資格や高度なスキルが求められます。
具体的には、DNA鑑定や指紋分析などの専門技術を扱うため、法科学や化学、物理学、生物学などの分野に関する知識と技術が必要です。
さらに、情報技術(IT)に関するスキルやデータ解析能力も重要です。
コミュニケーション能力やチームワークも不可欠であり、他の捜査機関や研究者と連携して仕事を進める力が求められます。
こうしたスキルは就職してから十分に身につけられるので、まずは国家公務員試験をパスすることですね。
高校生からの進路計画
高校での科目選択
科学警察研究所の職員を目指す高校生は、理系科目に重点を置くことが重要です。
特に、化学、物理、生物などの科目は基礎知識として必要です。
これらの科目は、大学での専門分野の学習に直結し、DNA鑑定や指紋分析などの技術に必要な理論を理解するために欠かせません。
また、数学は論理的思考力を養うために重要であり、データ解析や統計の理解にも役立ちます。
さらに、英語も重要です。科学文献の多くは英語で書かれているため、英語の読解力やコミュニケーション能力が求められます。
大学での専攻
科学警察研究所の職員を目指すためには、大学での専攻選びが重要です。
理工学系の学部、特に化学、物理学、生物学、工学などの分野が適しています。
大学での準備
専門知識の習得
科学警察研究所の職員になるためには、大学で高度な専門知識を習得することが必要です。
理工学系の学部では、化学、物理学、生物学、工学などの基礎科目をしっかりと学びます。
実務では微分と積分や行列を使うシーンは少ないかもしれませんが、事象を科学的に捉えるためには、原理や方程式の理解は必須 of 必須です。
これらの専攻科目をしっかり勉強しては、科学捜査に必要な知識と技術を身につけましょう。
さらに、最近ではITツールを駆使した捜査も行われるので、情報工学や統計学を学ぶことも有益です。
また、実験や研究活動を通じて実践的なスキルを身につけることも重要です。
例えば、DNA鑑定や指紋分析などの技術は、大学の研究室での実験やインターンシップを通じて習得できます。
これらの専門知識と技術は、科学警察研究所での実務において欠かせないものとなります。
インターンシップや研究機関での経験
科学警察研究所の職員を目指すためには、インターンシップや研究機関での経験が非常に有益です。
大学在学中に関連する研究機関や民間企業のインターンシップに参加することで、実際の現場での実務経験を積むことができます。
これにより、理論だけでなく実践的な分析装置の操作方法や分析技術などを習得し、問題解決能力や応用力を高めることができます。
また、インターンシップを通じて専門家や研究者とのネットワークを築くことも重要です。
これらの経験は、採用試験の際にアピールポイントとなり、科学警察研究所でのキャリアに大いに役立ちます。
詳しくは、人事院のWebサイトをチェックしてみてくださいね。
国家公務員総合職試験
科学警察研究所の職員は国家公務員ですので、国家公務員総合職試験に合格する必要があります。
しっかり準備して臨みたいですね。
官庁訪問
国家公務員総合職試験を通過して採用者名簿に載ることに加えて、官庁訪問をする必要があります。
人事院:総合職試験について
科学警察研究所の仕事内容
科学警察研究所には、複数の研究部門がありますので、代表的なものを紹介します。
法科学部
第一部
生物学を駆使した研究を行っています。
DNA鑑定に用いられるシステムや、白骨化した仏様の識別、血液痕からの分析、バイオテロの判別などの研究などですね。
第二部
物理や工学を駆使した研究を行っています。
指紋読み取り、核物質の特定、AIによる画像分析、火災の原因特定、爆発物の威力分析、機械構造物の破壊原因の分析などですね。
第三部
化学を駆使した研究を行っています。
薬物の作用分析、環境汚染物質、化学兵器の検出方法の開発などですね。
第四部
情報科学を駆使した研究を行っています。
ポリグラフ(嘘発見器)、筆跡や偽造文書の鑑定、声紋分析などですね。
犯罪行動科学部
心理学や社会学、精神医学などを駆使した研究を行っています。
非行少年の更生方法、被害児童への面接方法、犯罪防止、犯罪者プロファイリングなどが該当します。
交通科学部
交通規制や信号制御など、交通事故の防止につながる技術を研究しています。
渋滞の緩和に関して、早くソリューションが欲しいですよね。
附属鑑定所
法科学第一部はDNA鑑定技術等の研究開発を行いますが、附属鑑定所では実際にDNA鑑定を行っています。
まとめ
本記事では、科学警察研究所の研究員になるにはどのようなルートがあるのか、その仕事はどのような内容かを解説しました。
科学を正義の力として使いたい人には、やりがいのある仕事だと思います。
まずは国家公務員試験をクリアする必要がある点はハードルですが、平和をたぐり寄せるには、そのくらいのハードルは然るべきですね。