子どもには好奇心を持って人生を歩んでほしいものですよね。
本記事では、理系に進み、弁理士×MBA×エンジニアとしてのキャリアを突き進む僕が、生命科学を簡単に解説します。
生命科学の雰囲気だけでも子どもに説明できるようになりますので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね!
生命科学を簡単に言うと?
生命科学とは、簡単にいうと、生命・いのちを研究対象とする学問のことです。
自然を対象とする自然科学という大きな学問の中の一つの分野で、モノを対象とする物理系学問とは一線を画しています。
生命を扱う学問だと覚えておきましょう。
新しい学問でいうと、『量子生命科学』というものもあり、生命科学と量子学との融合も始まっています。
色々な発見や開発が出てきそうですね!
生命科学で学ぶこと
生命科学で学ぶことは多岐にわたります。
生物の身体の仕組みが超絶に複雑なことからも、想像できますよね。
一例として、日本最高峰の理系大学である東京工業大学の生命理工学部生命科学科の説明を見てみましょう。
これらのカリキュラムでは、物理化学、有機化学、生物学などの基礎的な科目から、生化学、分子生物学、生物物理学、生物有機化学などの学際領域科目、および発生学、免疫学、生理学、遺伝学、進化学などのより専門的な個別科目を多数開講しています。
出典:東京工業大学
基礎的な学問
専門的な学問を理解するためのベースとなりますので、物理化学、有機化学や生物学をしっかり学びます。
このあたりの学問は聞いたことはあるかもしれませんね。
専門的な学問
耳慣れないものが並んでいます。
例を挙げて説明しますね。
分子生物学
生物を分子のレベルで解明していく学問です。
昔の人は、そもそも分子や原子の概念を持たなかったので、人を構成する分子という概念などは持ち合わせていませんでした。
しかし、1953年にワトソンとクリックという人たちによってDNAの分子構造が提唱されたときに、分子生物学が生まれました。
DNAだけではなく、タンパク質、糖質、脂質なども分子なので、これらが生物の身体の中でどのような役割を担うのかを解き明かしていくわけですね。
発生学
これは文字からは想像が難しい学問ですよね。
生命の発生の瞬間にフォーカスを宛てて研究する学問です。
具体的に人間で考えると、受精卵が誕生して、内臓や脳、骨や筋肉に分化していく過程を解き明かしていきます。
生命の神秘の瞬間を詳しく理解できるのはいいですね!
生理学
日本医科大学によると、生理学は以下のとおりです。
生理学は、第一に生体の持つ様々な本来の機能と、その機能を調節している機構を理解するための学問であり、第二に正常の生理学的機構理解を基盤としてヒトにおける疾患の病因や病態を解明する学問分野である。
出典:日本医科大学
簡単にいうと、『人間の健康が維持されるメカニズム』を学んでいくわけです。
これは日々の生活に大いに役立ちそうですね。
生命科学の活用事例
生命科学を学ぶとどんなことができるようになるのか、例を見てみましょう。
具体例を知ることでモチベーションが上がることもありますからね。
生命科学の活用事例
- 生体分子マシン
- 再生医療
生体分子マシン
タンパク質の分子をマシンのように動かす技術が生まれてきました(参考:ネイチャーアジア)。
すごくないですか??
詳細は僕も理解が追いついていないので割愛しますが、アデノシン三リン酸(ATP)という物質を燃料として、クルクルとタイヤのように回転できるんです。
実は自然界にはすでにこの生体分子マシンは存在していて、バクテリアの鞭毛の根元に配置されて、鞭毛をクルクルと回転させることができるんです。
この生体分子マシンを応用すると、効率のよい人工筋肉や、分子マシンを高密度に配置した超小型の記録メモリなど、さまざまな未来のプロダクトにつながる可能性があります。
再生医療
中外製薬のサイトがわかりやすいので、載せておきますね。
自分の細胞の中から『幹細胞』という特殊な細胞を取り出し増やしていくことで、自分の臓器や皮膚などを作り出すことができます。
それを体内に戻すことで、自分の劣化した臓器などを再生させることが可能になるわけですね。
先ほどご紹介した発生学や分子生物学、遺伝学などの賜物です。
将来、老化して機能が衰えてしまった腎臓などを再生させ、健康で長生きできるようになるかもしれませんね!
生命科学を学ぶ人の進路
生命科学を学ぶ人は、一般的には大学に進学します。
生命科学を扱う大学の例を挙げておきますので、ぜひ参考にしてみてください。
生命科学を扱う大学(例)
- 日本大学
- 立教大学
- 芝浦工業大学
- 北里大学
- 千葉工業大学
- 青山学院大学
- 早稲田大学
- 法政大学
- 上智大学
- 中央大学
- 学習院大学
- 慶應義塾大学
- 明治大学
- 東京大学
- 東京工業大学
- 東京都立大学
学歴主義という言葉は嫌いなのですが、現実としては、東大や東工大、早稲田や慶應などの上位大学は研究施設も充実しており、生命科学を学びたい生徒にとっては恵まれた環境です。
生命科学を学んだ人のキャリア
生命科学を学んだ人は、食品や医療など、人間や動物の身体に密接に関係する企業等でキャリアを築きます。
もちろん、大学までに生命科学を学んだからといって、必ずしもこういった企業等で働く必要はありませんが、引き続き生命科学に関わりたい人にはおすすめです。
生命科学が関連する会社(例)
- ヤクルト
- オリンパス
- 味の素
- 資生堂
- 武田薬品工業
- 国立がん研究センター
- JAXA
生命科学と相性のよい学問
生命科学といってもさまざまな分野があるのですが、一緒に学んでおくと仕事上の幅が広がったり、希少な発見につながるような学問を考えてみました。
生命科学と相性のよい学問(例)
- 遺伝子工学
- 工学
- 栄養学
- コンピュータサイエンス
遺伝子工学
遺伝子を人工的に操作する技術です。
最近では、CRISPR -CAS9(クリスパー-キャスナイン)という、革新的な遺伝子操作の技術が生まれたのもあり、急速に進歩を遂げています。
遺伝子的な疾患を治療したり、温暖化に対応する新しい作物を生み出したり、幅広く応用していける技術につながります。
生命科学の範疇といっても過言ではないほど関連性の高い学問なだけに、生命科学とのセット学習も比較的容易です。
工学
エンジニアリング、という普遍的な学問です。
僕も工学部で学んだ人間です。
モノの仕組みを理解するために基礎の基礎を学びます。
生命科学も、電子顕微鏡やMRI、レントゲンなど、さまざまな工学技術を駆使して研究が発展してきていますよね。
こうした工学技術を理解しておけば、生命科学の学びも研究も加速します。
栄養学
これは特に食品関係の仕事に就きたい人向けです。
ビタミンやタンパク質がどのように消化・吸収され、栄養として人体の中で機能するかを理解しておけば、生理学とも相性バッチリです。
日常生活に役立ちますしね。
コンピュータサイエンス
コンピュータの仕組みやアルゴリズム、プログラミング、データ処理などを学びます。
このご時世、どの分野を学ぶにしても、コンピュータサイエンスは必須でしょう。
生命科学の未来
生命科学はこれから前人未到の領域に踏み込んでいくと考えています。
それは、生命とマシンとの融合です。
再生医療や遺伝子操作に加え、イーロンマスクが主導するNeuralinkという会社のブレインマシンインターフェース技術など、人間と工学との融合が進んでいます。
人間の欠点を補うどころか、人間を更なる次元に引き上げるような思想さえ生まれてきています。
倫理的な問題は常について回るにしろ、大きく変化していく分野になるでしょう。
進路やキャリアとして選ぶと、エキサイティングな人生が待っている、かもしれませんよ。
まとめ
本記事では、生物科学とは簡単にいうと何なのか?という観点でまとめてみました。
以下、要点です。
本記事のまとめ
- 生命科学は生命・いのちを研究対象とする学問
- 例えば東京工業大学の生命理工学部生命科学科によると、物理化学、有機化学、生物学などの基礎的な科目から、生化学、分子生物学、生物物理学、生物有機化学などの学際領域科目、および発生学、免疫学、生理学、遺伝学、進化学などのより専門的な個別科目を学ぶ
- 生命科学の応用例として以下を紹介
- 生体分子マシン
- 再生医療
- 生命科学を学べる大学として以下を紹介
- 日本大学
- 立教大学
- 芝浦工業大学
- 北里大学
- 千葉工業大学
- 青山学院大学
- 早稲田大学
- 法政大学
- 上智大学
- 中央大学
- 学習院大学
- 慶應義塾大学
- 明治大学
- 東京大学
- 東京工業大学
- 東京都立大学
- 生命科学を使って働く場合の会社として以下を紹介
- ヤクルト
- オリンパス
- 味の素
- 資生堂
- 武田薬品工業
- 国立がん研究センター
- JAXA
- 生命科学と相性のよい学問として以下を紹介
- 遺伝子工学
- 工学
- 栄養学
- コンピュータサイエンス
- 生命科学は今後、人間と工学との融合というセンシティブな文脈で大きく変化していくと指摘