気になりますよね。
文部科学省は教育に関する所管官庁ですからね。
本記事では、文部科学省がどのようにリードしているのかを、かいつまんでお伝えします。
ぜひ最後まで読んでいってくださいね。
フリースクールとは
フリースクールとは、主に不登校の子どもたちを対象に、学校外で学びを提供する教育施設です。
フリースクールの詳細を記事にしたので、こちらもぜひ読んでみてくださいね。
文部科学省のフリースクール支援政策
背景
文部科学省の報告によると、不登校の児童生徒数は増加傾向にあり、2022年度には小中学生の不登校数が過去最多を記録しました(文部科学省『令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について』)。
こうした現状もあり、文部科学省は、日本における不登校の増加や多様な学びへのニーズに対応するため、フリースクールやオルタナティブ教育(*)に対する支援政策を推進しています。
メモ
(*)オルタナティブ教育;一般的な学校教育ではなく、独自の理念や方針によって行われる教育のこと。オルタナティブ教育を提供するのがオルタナティブスクール。
支援のためのガイドライン
文部科学省は、令和元年に『不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)』を出しました。
色々なことが書かれていますが、フリースクール等の民間施設に関していえば、以下の記載です。
(学校等の取組みに関して)
不登校児童生徒の一人一人の状況に応じて,教育支援センター,不登校特例校,フリースクールなどの民間施設,ICTを活用した学習支援など,多様な教育機会を確保する必要があること。また,夜間中学において,本人の希望を尊重した上での受入れも可能であること。(教育委員会の取組みに関して)
不登校児童生徒への支援については,民間施設やNPO等においても様々な取組がなされており,学校,教育支援センター等の公的機関は,民間施設等の取組の自主性や成果を踏まえつつ,より積極的な連携を図っていくことが望ましいこと。そのために,教育委員会においては,日頃から積極的に情報交換や連携に努めること。
これは学校教育と並行して学外の学びを支援するものであり、フリースクールを利用する児童生徒に対しても公的な支援が認められるようになっています。
また、都道府県等の自治体は、文科省の通知を受けて、ガイドラインを策定しました。
例えば、兵庫県西宮市では、兵庫県→西宮市の順番にガイドラインを整備しました。
(兵庫県)
不登校児童生徒を支援する 民間施設に関するガイドライン
(西宮市)
不登校児童生徒を支援する 民間施設に関するガイドライン
文部科学省→都道府県→市町村、というお決まりの流れですね。
上記のガイドラインでは、県内にあるフリースクール等の紹介もされています。
フリースクールの学費と補助金制度
フリースクールにかかる費用
フリースクールの利用には、公立学校と異なり学費がかかります。
リースクールの月額利用料は、内容や場所によって異なりますが、平均で月数万円程度が一般的です。
これには、通常の授業料のほか、個別支援や心理カウンセリング、プロジェクト活動などの費用が含まれる場合が多く、特別な支援や専門的なプログラムを提供する施設では、さらに高額になることもあります。
費用が大きな負担となる家庭も多いため、経済的支援の必要性が指摘されています。
自治体の補助金制度
経済的な負担を軽減するため、文部科学省や一部の自治体は、フリースクールに通う児童生徒の家庭向けに補助金制度を設けています。
いくつか事例を挙げます。
東京都
東京都は、『東京都フリースクール等利用者等支援事業』を運営しています。
この制度では、自治体が認定したフリースクールの利用料の一部が補助されます。
2024年10月時点では、東京都の場合は所得制限がなく、上限2万円が支給されます。
だいたいのフリースクールの費用は次々数万円ですので、この補助率はありがたいですね。
鎌倉市
鎌倉市では、『鎌倉市フリースクール等利用児童生徒支援補助金』を運営しています。
こちらは補助額が上限1万円です(2024年10月時点)。
サイトには認定施設も載っているので、確認してみてくださいね。
1万円でも、助成を受けられるのならありがたいことですね。
茨城県
茨城県では、『茨城県フリースクール連携推進事業』を運営しています。
要綱を見ると、上限1.5万円が補助されます。
他にも多くの自治体で補助があるので、お住まいの地域でも調べてみると見つかるかもしれません。
今後の課題(私見)
フリースクール支援における課題を考えてみました。
全て文科省が解決すべきだとは思いませんが、旗を振ってほしいと思います。
フリースクール支援における課題
- フリースクールの社会的認知の向上
- フリースクールの質の向上
- 経済的支援に関する地域差の是正
フリースクールの社会的認知の向上
フリースクールの存在は徐々に社会に浸透しつつありますが、公的な教育機関とは異なるため、まだ認知度が十分とは言えません。
文部科学省は、不登校児童生徒にとってフリースクールが有効な教育機関であることを周知するため、自治体や教育委員会を通じて情報発信を行っています。
しかし、本記事を読んでいるあなたにとっても、まだ十分とは言えないでしょう。
フリースクールの社会的認知が向上し、インターナショナルスクールのように、選択肢の一つとして利用が進むことを期待しています。
フリースクールの質の向上
フリースクールに対する需要が増える中、施設や教育内容の質の向上が課題となっています。
公立の学校は教員採用試験をクリアした先生たちがおり、規制や監視もある程度は機能しており、一定の品質が担保されています。
国民の血税で運営しているわけですからね。
一方、フリースクールは公立学校に比べて法的な規制が少ないため、施設ごとに運営方針や教育の質にばらつきがあるのも事実です。
全国的に一定の水準を保つためのガイドラインや認定制度が整備されることなどで、フリースクールの信頼性と質がさらに向上していくものと期待しています。
経済的支援に関する地域差の是正
上の例でも紹介したように、フリースクールに対する支援制度には地域格差があります。
そこに住んでいるからといって、教育の機会が制限されてしまうなんて、子どもにとってみたら悲劇ですよね。
学びに機会を均等に与えるためにも、地域格差がなくなることを期待しています。
まとめ
本記事では、フリースクールに関する文部科学省の支援等について紹介しました。
以下にまとめました。
本記事のポイント
- フリースクールとは、主に不登校の子どもたちを対象に、学校外で学びを提供する教育施設(詳細解説)
- 文部科学省のフリースクール支援政策の背景には、不登校生徒の増加と最多記録更新
- 文部科学省の支援のためのガイドラインとして、『不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)』を発信し、続いて都道府県→市町村と具体的な施策に展開
- フリースクールにかかる費用は、月に数万円程度
- 自治体の補助金制度として、東京都、鎌倉市、茨城県を紹介
- 今後の課題(私見)として以下を紹介
- フリースクールの社会的認知の向上
- フリースクールの質の向上
- 経済的支援に関する地域差の是正