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その中で、聞き慣れないキーワードに遭遇したときは、本を読んだりして知識を深めてから発信するように心がけています。
本記事では、『ギフテッド』を学べる本『アメリカ ギフテッド教育最先端に学ぶ 才能の見つけ方 天才の育て方』のレビューをまとめていきます。
こんな方々におすすめ
- 身近な人がギフテッドかもしれない!?
- どうやったらギフテッドだと判別できるんだろう?
- 我が子がギフテッドだった場合、何をすればいいんだろう?
ギフテッドとは?
ギフテッドとは一体何なのか?
世界の統一見解はないのですが、全米天才児協会(NAGC)の定義をさらっとご紹介しますね。
Students with gifts and talents perform - or have the capability to perform - at higher levels compared to others of the same age, experience, and environment in one or more domains.
(1つまたは複数の領域において、同じ年齢、同じ経験、同じ環境にある他の生徒と比べて、より高いレベルで能力を発揮することができる子ども)出典:NAGC資料
ギフテッドの定義や分類など、概要がわかる記事を用意したので、お読みいただけると全体感を掴めると思います。
書籍『才能の見つけ方 天才の育て方』の概要
著者
本書は、石角友愛(いしずみともえ)さんによって書かれています。
石角さんの経歴もすごいですね。。
- お茶の水女子大附属高校を中退して渡米
- アメリカの有名校で心理学士を取得
- 日本に帰国し起業
- 再度渡米してハーバードビジネススクールでMBAを取得
- 戦略コンサルやベンチャーキャピタル、Googleなどを経験
- いまは会社経営
とまぁ、ご本人がギフテッドなんじゃないかと思うくらいの経歴ですね。
ギフテッドの気持ちがわかるからこそ、本書の執筆に至ったのかもしれません。
石角さんの書籍としては、他に以下のものも人気です。
構成、流れ
本書の構成は以下の通りです。
ポイント
- アメリカにギフテッドが多い理由を解説
- ギフテッドチルドレンがどのような子たちかを紹介
- アメリカのギフテッド発掘の取り組みを紹介
- アメリカのギフテッド教育を紹介
- 親として何ができるかを紹介
- ホームスクーリングを紹介
- 日本でできるギフテッド教育を紹介
『才能の見つけ方 天才の育て方』の書評
全体感
アメリカがいかにギフテッド教育に力を入れているかがわかります。
石角さんの在米歴が長いためか、アメリカのエピソードや制度などの解説が多めです。
日本がみすぼらしく見えて悲しくなってきますが、先行事例を真摯に学ぶつもりで読むといいですね!
そんな中でも僕は以下の3点に着目しました。
着目したポイント
- 才能を隠したがる日本
- 意外だった『食える専攻科目1位』
- ホームスクーリングとアンスクーリング
ポイント1: 才能を隠したがる日本
本書での扱いは大きくないのですが、日本は才能を隠すことをヨシとするのではないか、との指摘がありました。
謙虚さが美徳とされている文化的背景があり、『能ある鷹は爪を隠す』『出る杭は打たれる』などのことわざもあるとおり、才能を表にアピールしないのが日本なのでしょう。
学校で才能を発揮しまくっていると、後ろ指を刺されるのが今の日本なのです。
ただ、才能をひけらかすのと、才能を活かして人生を謳歌するのとは別の次元の問題ではないでしょうか。
アメリカの事例を見る限り、ギフテッドの子たちは才能をひけらかすのではなく、仕組みによって才能を発掘され、能力を磨き、オリジナルの人生を謳歌している印象を受けます。
そう考えると、謙虚さとは別の話としてギフテッドの発掘や育成をすれば、日本古来の価値観に抵触しにくいのでは、と思いました。
ポイント2: 意外だった『食える専攻科目1位』
食える専攻科目をアメリカで調査した結果が載っていました。
1位は何だと思います??
なんと、生物医療工学なんです。
聞き慣れない学問なのですが、ヘルスケア領域に工学を融合させた学問なんです。
例えば、
- 遠隔診断システム
- 遠隔手術システム
- スマート義体
など、テクノロジーと医療との融合というイメージです。
これは意外でした。
てっきりAIとかデータサイエンスが1位に来るかと思ったのですが。。
人の健康に関わる部分には、手堅くお金が集まってくるということですね。
テクノロジーといえば、STEM教育の『T』の部分です。
STEM教育に関しても記事を書いているので、よかったぜひどうぞ。
ポイント3: ホームスクーリング
ホームスクーリングは通学をせずに家で家庭教師や教材、通信などを利用して、学業に取り組むものです。
実は、こんな事実があるんです。
ポイント
- アメリカ大統領の32%がホームスクーラー
- アメリカの全国学力テストでは、ホームスクーラーのほうが点数が高い
- ホームスクーラーのほうがスタンフォード大学の合格率が2倍高い
ホームスクーラーは単なる不登校ではなくて、地理的に通学困難だったり、圏内の学校のカリキュラムに不満があるなど、明確な事情がある場合も多く、学ぶ意思はあるわけですもんね。
自分に合う環境で自分に合う学びを続けられるのなら、そりゃあ成績も伸びますよね。
日本でも、オルタナティブスクールが徐々に普及していますから、ギフテッドの教育環境も次第に整ってきています。
ホームスクーリングにも!オンラインのインターナショナルスクール『Global Step Academy』
まとめ: ギフテッド教育の先進事例を学ぶ書籍としておすすめ
本記事では、書籍『才能の見つけ方 天才の育て方』のレビューをご紹介しました。
以下にまとめます。
ポイント
- ギフテッドとは、『1つまたは複数の領域において、同じ年齢、同じ経験、同じ環境にある他の生徒と比べて、より高いレベルで能力を発揮することができる子ども』(全米天才児協会)
- 著者は石角友愛(いしずみともえ)さん
- 全体感;アメリカすげぇ!ギフテッド教育にここまで本気だったのか。。
- ポイント1;才能を隠したがる日本だけど、謙虚さと才覚の育成は別として捉えていきたい
- ポイント2;アメリカで食える専攻科目1位は生物医療工学!
- ポイント3;ホームスクールが意外と成績優秀という事実
あなたの周りに埋もれているギフテッドな人がいたら、ぜひ発掘を!
本書を一度お手にとって読んでみてくださいね。