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ギフテッドの中でも特徴的な2E型を事例とともに解説

2023年12月16日

ギフテッドの中でも特徴的な2E型を事例とともに解説
ギフテッドについて少し調べているんだけど、2E型というタイプがあるんだね。 もしかしたらうちの子が2E型かもしれないから、どんなタイプなのか知っておきたいかも。

 

本記事ではそういった疑問にお応えして、2E型のギフテッドについてわかりやすくまとめてみました。

ギフテッド全体における2E型の位置付けも含めて理解しやすくまとめたので、ぜひ読んでみてくださいね。

 

ギフテッド関連の記事一覧

 

ギフテッドとは

ギフテッドとは

ギフテッドとは

 

ギフテッドに関する世界の統一見解はないのですが、全米天才児協会(NAGC)の定義をさらっとご紹介しますね。

Students with gifts and talents perform - or have the capability to perform - at higher levels compared to others of the same age, experience, and environment in one or more domains.
(1つまたは複数の領域において、同じ年齢、同じ経験、同じ環境にある他の生徒と比べて、より高いレベルで能力を発揮することができる子ども)

出典:NAGC資料

 

ギフテッドの定義や分類など、概要がわかる記事を用意したので、お読みいただけると全体感を掴めると思います。

 

 

ギフテッドの分類

ギフテッドの分類

ギフテッドの分類

 

僕が調べた限りでは、ギフテッドの分類の方法にはいくつかあり、代表的なものだと以下の2つです。

ギフテッドの分類方法

  • ギフテッドそのものを6つに分類
  • ギフテッドか発達障害か

 

ギフテッドそのものを6つに分類した場合については別の記事で詳しく説明します。

ここでは、2つめの『ギフテッドか発達障害か』の分類で考えてみます。

 

図にするとこんな感じです。

ベン図というやつですね。なつかしい。

ギフテッドと発達障害

ギフテッドと発達障害

 

ギフテッドと発達障害の関係性を表したものですが、ギフテッドと発達障害の2つの特性を持つ場合に、2E型のギフテッドと言われます。

発達障害を持たない単なるギフテッドは英才型と言われますが、別の記事で詳しく説明します。

 

以下、2E型のギフテッドについて調べた結果をまとめます。

 

2E型のギフテッド

2E型のギフテッド

2E型のギフテッド

 

2E型ギフテッドの定義

ギフテッドと発達障害の2つの特性を持つ場合、2E型のギフテッドと言われます。

Eは例外Exceptionの頭文字から来ています。

個人的な印象ですが、『例外』という単語は使いたくないです。

みんなそれぞれ個性ってことで、PersonalityとかCharacterとかを使いたいものです。

 

ギフテッド先進国といえばアメリカですよね。

ギフテッドな子どもを支援する団体であるDavidson Instituteの記事によると、2E型というのは、以下のような子どもです。

 

2E型のギフテッド

  • 知性の面でギフテッドである
  • ADHDや自閉症スペクトラム、読み書きの障がいなど、1つ以上の学習障がいを抱えている

 

2E型ギフテッドの特徴

2E型のギフテッドの特徴は、以下のとおりです。

 

Outstanding critical thinking and problem-solving skills
クリティカルシンキングや課題解決スキルに関してずば抜けています。

クリティカルシンキングというのは、ものごとを無思考に受け入れるのではなく、批判的・多角的な視点をあえて入れて考え、客観的に判断することです。

普通の子どもがそんなスキルを持っていると驚きますが、ギフテッドならありえるわけですね。

 

Above average sensitivity, causing them to react more intensely to sounds, tastes, smells, etc.
平均以上の感受性があるため、音や味、においに対して特に敏感に反応します。

ギフテッドな子どもは感覚が研ぎ澄まされている場合があるので、外界の刺激に対して敏感になるようです。

 

Strong sense of curiosity
強い好奇心を持っています。

その強い好奇心があるからこそ、いろいろなことに興味を持って探求していき、並外れた成果を出していくのでしょうね。

 

Low self-esteem due to perfectionism
完璧主義であるがゆえに自尊心が低下しがちです。

他の人から見たら十分すぎる状態であっても、本人が満足できていないのは、気の毒ですらあります。

 

Poor social skills
社交的なスキルが低いです。

高いレベルでできてしまうがゆえに、周りとの思考の差や認識の差が生まれ、コミュニケーションを取りづらくなるのでしょうか。

ギフテッドではない僕から見ると、このあたりの心情はよくわかりません。

 

Strong ability to concentrate deeply in areas of interest
興味のある分野に対してはものすごい集中力を発揮します。

あくまで『興味のある分野に対しては』がポイントですね。

興味のない分野に対してはまったく集中できなかったりもします。

 

Difficulties with reading and writing due to cognitive processing deficits
認知プロセスに何らかの欠陥があるため、読み書きが困難だったりします。

脳の構造や機能の一部が常人とは異なる結果でしょうか。

現代社会での日常生活に支障をきたしてしまうかもしれません。

 

Behavioral problems due to underlying stress, boredom and lack of motivation
根本的なストレスや退屈、意欲減退による問題行動がありえます。

ストレス等が問題行動につながりやすいのかもしれまんね。

出典:David Institute

 

東京にもギフテッド教育に特化したフリースクールがあるので、ぜひ記事を参考にしてみてください。

 

2Eギフテッドな子どもの例

ジュリアン

ジュリアンな典型的な2E型ギフテッドです。

 

自分の3歳の誕生日パーティーで、ゲストを無視したり12語しかない語彙で指示を出していました。

だれとも目を合わせず、ノンストップで走り回ったり、おもちゃのブロックで橋をつくったり。

その年のIQテストでは84しかなく、精神科医はアスペルガーやADHDの傾向を指摘しました。

一方、かかりつけの小児科医は、言語療法が必要なだけで、優秀な子どもだと判断したようです。

 

ジュリアンは3歳から9歳まで、いくつもの教育施設を試したのですが、どれも合いませんでした。

ギフテッドのための試験を受けるものの、じっと座っていられないのです。

また、クラスでテストを受ける際も答えを声に出して言ってしまったり、テーマから外れた質問をしたり、座っていられなかったりしたので、幼稚園を辞めることになっています。

 

ジュリアン本人は、クラスが難しすぎたり簡単すぎたりするので、不満を持っていました。

一方、ジュリアンが通っていた支援学校は、クラスでの彼の行動をコントロールしようとしていたために、才能発掘は後回しだったんです。

 

10歳になったジュリアンは、IQ136のギフテッド、かつ、ADHD(注意欠陥障害)不安障害及び読み書きの障害を併せ持っています。

読み書きは小学校2年生レベルですが、数学に関しては大学レベルです。

 

ギフテッドの概要を説明した記事でも触れましたが、ギフテッドは発達の度合いが凸凹の場合が多いのです。

ジュリアンの場合は、数学に秀でる代わりに、読み書きは遅くなったわけですね。

 

サイモン

サイモンは2歳の頃に遊び仲間から追い出されています。

他の子どもたちへの身体的接触の力が強すぎたのです。

ただ、サイモンは早熟で言葉を覚えるのも早かったため、遊び友達に理解してもらえるように努めているようでした。

 

サイモンはモンテッソーリ教育を実践する施設で、最初のうちは順調に成長していましたが、学習教材に飽きるようになるとクラスの日課を見出すようになってしまいました。

英才教育プログラムには合格せず、私立の学校にも問題行動等で入れずじまい。

 

サイモンは高い創造性、大学レベルの読解力などがありましたが、数学能力、処理能力、ストレス耐性などが十分には発達していなかったため、テストでは評価されていなかったのです。

サイモンの才能が発掘されて磨かれていくことを願うばかりですね。

出典:Davidson Institute

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2E型のギフテッドが描かれた映画

2E型のギフテッドが描かれた映画

2E型のギフテッドが描かれた映画

 

2E型のギフテッドのイメージをもう少し具体的に持ってもらうために、2E型のギフテッドが描かれた映画を2つ紹介しますね。

 

ザ・プレデター

 

プレデターのシリーズは多くの作品があり、僕は初作からファンになり全部観ています。

2018年にリリースされた『ザ・プレデター』もなかなかぶっ飛んでいるのでぜひ観てほしいですね。

 

『ザ・プレデター』には、ある男の子が出てきます。

その男の子は自閉症を持っているのですが、プレデターたちが使っている言語を解読するなど、秀でた才能を発揮しています。

印象的だったのが、プレデターは彼の才能に気づいて彼を連れ去ろうとしている点です。

進化の糸口、みたいな表現があったと思いますが、価値あるものとして捉えているわけです。

 

僕の個人的な見解ですが、障がいは、人類のDNAが進化の方向性を定めるための試行錯誤なのではないでしょうか。

激変する環境に適応する遺伝子を見つけようとしているのではないかと思っています。

 

ザ・コンサルタント

 

ベン・アフレックが主演です。

高機能自閉症を持っている主人公は、表向きは数字のプロである会計士で、裏は一流のヒットマンです。

葛藤する様子がベン・アフレックの名演技によって表現されているので、ぜひ観てみてくださいね。

高機能自閉症と闘う様子もすごく胸にきます。



まとめ

本記事では、2E型のギフテッドについてまとめてみました。

以下にまとめます。

 

ポイント

  • NAGCの定義によると、ギフテッドとは、『1つまたは複数の領域において、同じ年齢、同じ経験、同じ環境にある他の生徒と比べて、より高いレベルで能力を発揮することができる子ども』
  • 2E型のギフテッドは、ギフテッドと発達障害の2つの特性を持つ。具体的には、以下。
    • 知性の面でギフテッドである
    • ADHDや自閉症スペクトラム、読み書きの障がいなど、1つ以上の学習障がいを抱えている
  • 2E型のギフテッドの特徴は以下のとおり。
    • クリティカルシンキングや課題解決スキルに関してずば抜けている
    • 平均以上の感受性があるため、音や味、においに対して特に敏感に反応する
    • 強い好奇心を持つ
    • 完璧主義であるがゆえに自尊心が低下しがち
    • 社交的なスキルが低い
    • 興味のある分野に対してはものすごい集中力を発揮する
    • 認知プロセスに何らかの欠陥があるため、読み書きが困難
    • 根本的なストレスや退屈、意欲減退による問題行動がありえる
  • 2E型ギフテッドの事例として、David Instituteからジュリアンとサイモンを紹介
  • 2E型のギフテッドが描かれた映画として以下を紹介
    • ザ・プレデター
    • ザ・コンサルタント

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