本記事では、そういった声にお応えして、ギフテッドな大人の生き方について、アメリカの研究機関の調査結果に基づいてまとめました。
ぜひ最後まで読んでいってくださいね。
ギフテッドとは
ギフテッドに関する世界の統一見解はないのですが、全米天才児協会(NAGC)の定義をさらっとご紹介しますね。
Students with gifts and talents perform - or have the capability to perform - at higher levels compared to others of the same age, experience, and environment in one or more domains.
(1つまたは複数の領域において、同じ年齢、同じ経験、同じ環境にある他の生徒と比べて、より高いレベルで能力を発揮することができる子ども)出典:NAGC資料
ギフテッドの定義や分類など、概要がわかる記事を用意したので、お読みいただけると全体感を掴めると思います。
ギフテッドかな?と気付くとき
大人と言わないまでも、ある程度の年齢になってから、ギフテッドかな?と気付く人もいます。
ダイバーシティ意識の高まりなのか、呪術廻戦のフィジギフおじさんのおかげかは知らないんですけど、ギフテッドという言葉が広まりってきています。
そのような中、自身がギフテッドじゃないか?と疑念を持つ人も増えているのでしょうね。
こんな投稿を見かけました。
16歳で『ん??』と気付いたようなんです。
この方は、ただのギフテッドではなく、2E型のギフテッドではないかと思うようになったのです。
能力を発揮できる分野がわかったのと、教育環境の不一致に苦しんでいるようです。
この方のように16歳で気付きを得る機会が来る場合もあれば、30歳、40歳、50歳になってギフテッドだと気付くこともあります。
そして、なんでもできる英才型のギフテッドであれば、『自分は優秀なんだな』と思うのでしょうが、圧倒的にできることとそうでないことがはっきりし出すようになると生きづらくなっていき、2E型のギフテッドを疑うのではないでしょうか。
ギフテッドな大人の特徴
ギフテッドな大人の特徴を調べてみました。
もしあなたが以下の特徴に当てはまるなら、ギフテッドの可能性を考えてみてもいいかもしれません。
ギフテッドはギフテッドの生き方がきっとありますからね。
きっとオリジナルな人生を謳歌できます。
ポイント
- 頭の回転が速い
- 感受性が高い
- 感覚刺激への過剰反応
- 内向的になりがち
- 感情面で成熟している
- 創造的
- 自律的
- 完璧主義
- 学習的
- 失敗や能力を発揮できないことへの恐れ
ちなみに僕は、『内向的になりがち』『創造的』『自律的』あたりに当てはまりました。。ギフテッドなのか・・?
頭の回転が速い
常人よりもものごとを考える速度が速いのです。
連想も速いので、 話題が飛び飛びになっている印象を周囲に与えてしまうことがあります。
感受性が高い
感覚や感情、創造性などのさまざまな側面において感受性の高さが現れます。
ADHDも同様の特性があるので、ADHDを疑われることも。
感覚刺激への過剰反応
聴覚、視覚、触覚に過剰に敏感になっているかもしれません。
例えば、機械音がやけに気になったり、光が気になったり、特定の生地や服のタグが無性に気になったりするようです。
内向的になりがち
傷つきやすいので、人と距離を置きがちです。
その分、大人になるまでの長い時間、精神世界を構築して成長させてきたので、広くて詳細な世界が広がっているのかもしれませんね。
感情面で成熟している
多くのギフテッドな大人は、そうでない人よりも感情面が豊かな傾向が見られます。
創造的
ギフテッドな人の思考プロセスは、そうでない人とは違い、豊かな創造力・想像力により広い視点でものごとを捉えることができます。
パターン認識や予測が速く、直感的に結論を出せるのです。
ただ、直感的に決めていくプロセスは、既存の教育システムと相容れない場合もあります。
自律的
意見を述べたり判断したりするプロセスが自律的、独立的です。
この性質が強いと、不適合者とみなされることが増え、レッテルを貼られることもあるでしょう。
完璧主義
他人にも自分にも完璧を求めがちなようです。
自身にも高い期待をしてしまうため、その期待に応えられないと、劣等感の原因になってしまいます。
学習的
ギフテッドな人の学習スタイルは、探索的と言われます。
例えば、リスト化された既存の知識を単に覚えたり学んだりすることには興味を持てないようです。
自ら既存の概念を超えて思索を広げて行くことが得意です。
だから、いわゆる学校のお勉強には向かない場合もあります。
その結果、基礎的な知識が不足しているものの、興味のある分野に対しては強烈な知識を持っていたりします。
失敗や能力を発揮できないことへの恐れ
子どもの頃に知性への刺激が不足すると、自分の頭が悪いと思いがちになり、失敗を恐れ、能力が発揮できなくなる。
学習意欲も低下してしまうので、後のキャリアにおいて挫折や失望を味わうことになってしまいます。
事例:ギフテッドな大人の生きづらさ
ギフテッドな大人が職場で生きづらさを感じているケースを2つ紹介します。
Alice Wismeijer
Aliceは38歳の女性で、政府機関の研究員として働いていました。
終業後に独学で多くの資格を取得し、仕事もうまくいっていましたが、同僚が何年間も彼女をいじめていたのです。
結局、Aliceは長期にわたる病気になったのですが、産業保健医はバーンアウト(燃え尽き症候群)と診断しました。
Aliceはセラピーに通い、1年後には職業障害検査で週20時間の簡単な仕事ができると診断してもらえました。
しかし、自分の知性が高いことを知っていたAliceは、単調な仕事を長時間こなすことには向いていないと思っていました。
産業医による診察の中で、Aliceはひどく泣いてしまい、結局職場復帰は失敗に終わってしまったのです。
Joost Bakker
Joostは42歳のオートメーション業界の専門家ですが、長年首の疾患?に悩まされており、それが原因でちょくちょく仕事を休んでいました。
産業医と面談しましたが、彼はかなり心配性で、健康管理に気をつかっていました。
また、Joostは孤独感を抱えており、同僚との接触もほぼなかったそうです。
ただ仕事はうまくやっており、上司も満足しているようでした。
産業医の勧めで、心理学者の診察を受けたJoostでしたが、実は分析的思考力は非常に高いことがわかったのです。
心理学者はJoostにMensa(世界的な高知能団体)のテストを受けるように勧めた結果、なんとMensaに入団できてしまいます。
Mensaの中で色々な人脈を得たJoostは、1年後の診断ではリラックスしているように見えたそうです。
ギフテッドな大人の生き方
ギフテッドは大人になってからも職場等で苦労しているようですね。
どのような生き方をしたらいいのかわからなくなっている場合も。
僕は自分のことをギフテッドではないと思っているので、経験からどうこう言える立場じゃないのですが、調査していく中で『ギフテッドな大人の生き方』のヒントをいくつか掴めたように思います。
ポイント
- 自分を知る
- 仲間をつくる
- 合う環境で合うことをやる
自分を知る
AliceやJoostの例でも産業医や心理学者が登場しましたが、発達心理学や心理学の専門家の力を得ることから始まるのではないでしょうか(参考:発達心理の記事)。
専門家の力を借りて、自分の才能の特性を把握する。
どんな対策をとるにも、まずは自身の特性をしっかり知ることが第一歩かと思います。
『ギフテッド 診断』などでググって診察を受けてみるのもいいですし、レビュー記事で紹介した以下の書籍に簡易な診断テストが載っているので、気軽に試してみるのもいいでしょう。
ギフテッドかどうかの診断なんて滅多に受けることはないですから、自己を知るいい機会だと思って健康診断感覚で受けてみてはいかがでしょうか。
ギフテッド以外にも、何らかの特性が判明するかもしれませんよ。
仲間をつくる
Joostの事例では、Mensaに入会して人脈を作れたことが功を奏しているようです。
Mensaは高知能な人たちの集まりなので、同じようにギフテッド特有の悩みを抱えている人もいることでしょう。
同じように悩んでいる人たち、才能を活かした生き方をしている人たちがいると知るだけでも気が楽になります。
加えて、ギフテッドが快適に生きるためのお役立ち情報を手に入れられたら、ラッキーですよね。
合う環境で合うことをやる
ギフテッドの概要記事で紹介しましたが、ギフテッドの特徴の一つは『不揃いな発達』です。
得意なことはめっちゃ得意ですが、不得意なことは絶望的に不得意だったりします。
得意・不得意どちらの側も平均から外れているってことですね。
なので、平均的にあらゆることをそつなくこなす仕事は合わないかもしれません。
自分の能力の発揮に集中できる職業や職場を見つけられたのなら、最高ですよね。
生き方はある程度は選べるわけですから。
まとめ
本記事では、ギフテッドな大人の生き方についてお伝えしました。
もしあなたが生きづらさを感じていてギフテッドを疑っていたとしても、きっと才能を発揮してオリジナルな楽しい人生を送れるようになるはずです。
以下にまとめます。
本記事のまとめ
- ギフテッド;1つまたは複数の領域において、同じ年齢、同じ経験、同じ環境にある他の生徒と比べて、より高いレベルで能力を発揮することができる子ども(NAGCによる)
- 16歳でギフテッドに気づいた事例を紹介。30代、40代、50代でも気付くことがある。
- ギフテッドな大人の特徴として以下を紹介
- 頭の回転が速い
- 感受性が高い
- 感覚刺激への過剰反応
- 内向的になりがち
- 感情面で成熟している
- 創造的
- 自律的
- 完璧主義
- 学習的
- 失敗や能力を発揮できないことへの恐れ
- ギフテッドな大人の事例として、Alice WismeijerとJoost Bakkerの紹介
- ギフテッドな大人の生き方として、以下の3点を紹介
- 自分を知る
- 仲間をつくる
- 合う環境で合うことをやる