確かに、アメリカほどギフテッド教育が発達していない日本で大学を探すとなると、不安ですよね。
特定の才能に恵まれたギフテッドのお子さんであればこそ、その才能を伸ばしてくれる環境を用意してあげたいものです。
本記事では、ギフテッドな子どもが日本国内で大学を選ぶ際に参考になる情報をまとめました。
日本の大学教育も、早くアメリカのようにギフテッドに対応してくれるようになるといいですね。
ギフテッドとは
ギフテッドに関する世界の統一見解はないのですが、全米天才児協会(NAGC)の定義をさらっとご紹介しますね。
Students with gifts and talents perform - or have the capability to perform - at higher levels compared to others of the same age, experience, and environment in one or more domains.
(1つまたは複数の領域において、同じ年齢、同じ経験、同じ環境にある他の生徒と比べて、より高いレベルで能力を発揮することができる子ども)出典:NAGC資料
ギフテッドの判別方法
ギフテッドかそうではないかで、採用すべき教育方法が変わってきます。
まずは、子どもがギフテッドかどうかを判別しておくのもよいでしょう。
ギフテッドを発見する方法は、一般的には以下のようなものがあります。
知能検査
知能指数(IQ)を測定する検査を受けることで、ギフテッドの判断基準となるIQ130以上を持つかどうかを確認できます。
知能検査は、心理学者や教育機関などが実施することがあります。
よく知られているものとしては、以下の検査があります。
- WISC-Ⅳ(ウェクスラー式知能検査)
- QEEG検査(定量的脳波検査)
心理検査
知能検査だけでなく、ギフテッドの特徴や性格、興味、感情などを評価する心理検査を受けることで、ギフテッドの全体像を把握できます。
心理検査は、主治医や精神科医などが実施することがあります。
観察や問診
ギフテッドの子どもは、幼い頃から周囲との差が見られることが多いです。
そのため、親や教師などが、ギフテッドの特徴に注意して観察したり問診することで、ギフテッドの可能性を探ることができます。
ギフテッドに必要なケア
英才型を扱った記事や2E型を扱った記事でも触れましたが、ギフテッドにはギフテッドであるがゆえの苦労があります。
以下、主要な苦労に対処するためのケアのポイントを3つ挙げてみます。
ギフテッドのケアのポイント
- 興味のあることに没頭できる環境
- 理解し合える仲間
- 発達障がいに理解のある体制
興味のあることに没頭できる環境
ギフテッドへの羨ましいという感情を扱った記事でも触れましたが、ギフテッドの特徴の一つは非定型発達です。
非定型発達とは、ある素質は同世代よりも抜きん出て発達する一方、別の素質はゆっくりマイペース、というものです。
なので、興味の有り無しの落差が大きいのですよね。
興味を持って取り組むところに才能が隠れているはずなので、興味のあることに没頭できる環境が才能・能力を伸ばしてくれます。
一般的な公立校のように、幅広くお勉強をするカリキュラムだと、ギフテッドのよさを活かせません。
理解し合える仲間
ギフテッドの子どもは、その特異な才能がゆえに、学校の中で浮きがちです。
考えるスピードも、考える深さも、感情の振れ幅も、いろいろな部分で非ギフテッドとは異なってしまうので、噛み合わないのですよね。
同じようにギフテッドの仲間がいて、理解ある教員がサポートしてくれる環境であれば、馴染みやすいはずです。
発達障がいに理解のある体制
2E型のギフテッドを扱った記事にて触れましたが、2E型のギフテッドは発達障がいも持っています。
旧来の価値観だと、発達障がいを持った子どもは特別支援学級や養護学校に通うことになりがちです。
しかし、発達障がいと合わせてギフテッドかもしれないので、その才能を発掘し伸ばしていくことができれば、本人も家族も社会も幸せですよね。
2E型ギフテッドへの理解や、才能発掘・育成の意思を持って教育を提供してくれる大学があれば、頼もしいですよね!その幸せに一歩近づくことができるでしょう。
大学に入る前の段階であっても、ギフテッド教育を受けられるフリースクールもあるので、選択肢としてもいいかと思います。
ギフテッド教育に取り組む大学
ギフテッド教育に取り組む大学、というより、取り組もうとしている大学を3つ発見したので、紹介しますね。
以下の3つの大学は、文部科学省の補助事業『特異な才能のある児童生徒への支援の推進事業』に採択されたんです。
ギフテッド教育に取り組む日本の大学
- 東京学芸大学
- 筑波大学
- 三重大学
『特異な才能のある児童生徒』とは、つまるところギフテッドの子どもです。
文部科学省が、ついにギフテッド教育に手をつけ始めたのですね。
取り組みの真っ只中なので、いきなり正解を引き当てるとは限りませんが、何もやらないよりは20000%マシですよね。
応援しています。
東京学芸大学
東京学芸大学は、附属小金井小学校を研究指定校としています(ソース)。
この附属小金井小学校は、これまで『学びに困難を抱えている児童への支援』に取り組んでいました。
文科省の補助事業では、そこから発展して、『学びに困難を抱えている児童への支援が、特に困難を抱えていない児童にとっても好影響を及ぼし、一人一人の個性が尊重され、多様性が認められるインクルーシブな環境における教育』の実現を目指しています。
この『多様性』の中に、ギフテッドの意味が含まれるわけですね。
附属の小学校でギフテッド教育に取り組むのですから、研究成果を大学まで展開することになるはずですよね。
Youtubeチャネルも運営しているようですよ。
筑波大学
筑波大学は、附属駒場中・高等学校を研究の場として、研究に取り組んでいます(ソース)。
僕の知り合いに、附属駒場中・高等学校の卒業生がいるのですが、正直、鬼才ですね。
その人はサラリーマンとしては働いておらず、特殊な技能を磨いて、サラリーマンの何倍もの収入を得て、悠々自適に生活しています。
三重大学
三重大学も、附属小学校と連携して才能発掘の取り組みを進めています(ソース)。
三重県内で教育といえば三重大学ですから、期待したいですね。
【参考】食べていけるようになる分野
最後に、収入がよくて食べていけるようになる分野をご紹介します。
ギフテッド書籍のレビュー記事でも紹介したのですが、それは『生物医療工学』です。
アメリカでの調査結果ですし、現時点での話なので、今後もその傾向が続くとは限りません。
ただ、人間の生命に関わることなので、需要は底堅いとは思えますよね。
進路を選ぶ際の参考になればうれしいです。
ちなみに、書評で紹介した書籍には、食える職業ランキング第1位〜第15位が載っているのですが、すべて技術系の科目です。
つまりSTEM教育が重要になるわけですね。
ただ、子どもが小さいうちは専攻を決めるよりも、さまざまな技術に触れて体験して、自分の頭で理解することが重要です。
米国で人気を博しているGroovy Lab in a Boxなら、月々2,980円(税込)で世界最先端のSTEM教材が毎月届きます。
ちゃんと動画でナビゲートしてくれますし、科学実験を自宅で気軽に経験できるのは、とても良い学びになります。
いつでも解約可能なので、気軽に試せます。
ど理系な世界で学び、生きながらえている僕からしても、自宅で気軽に科学実験ができる経験は、すごく貴重です。
まとめ
本記事では、ギフテッドな子どもが大学選びの参考にできる情報をお伝えしました。
以下にまとめます。
本記事のポイント
- ギフテッドかどうかを判別する方法として以下を紹介
- WISC-Ⅳ(ウェクスラー式知能検査)
- QEEG検査(定量的脳波検査)
- ギフテッドに必要なケアとして以下を紹介
- 興味のあることに没頭できる環境
- 理解し合える仲間
- 発達障がいに理解のある体制
- ギフテッド教育に取り組む大学として以下を紹介。文部科学省の補助事業に採択。
- 東京学芸大学
- 筑波大学
- 三重大学