そういった疑問に答えます。
本記事では、以下の内容でスキャモンの発達曲線(発育曲線)をわかりやすく解説します。
本記事の内容
- スキャモンってだれ?
- スキャモンの発達曲線の全体像と4つの型
- 例外
学術論文なども参照して、正確な情報提供につとめますので、ぜひ最後までお付き合いください。
スキャモンとは
スキャモンは、Richard Everingham Scammonのことで、アメリカの医学者・人類学者です。
あまりよく知られていない人物らしく、情報が少ないですね。
参考URLを載せておきます。
スキャモンの発育曲線(発達曲線)とは
全体像
スキャモンの発育曲線は、ヒトの身体がどのように発達するかを模式的に表したグラフです。
0歳時を0% 、20歳の時点を100%として、身体の各器官がどのように伸びていくかを表しています。
%で表しているのは『重量』で、類型としては以下の4つです。
ポイント
- 神経型
- リンパ系型
- 生殖器型
- 一般型
それぞれの型を個別に説明します。
神経型
神経とは、脳や脊髄、視覚などの神経系、感覚器系のことです。
出生した時点から急速に発達し、あとはゆっくりと100%に向かっていきます。
例えば、脳の重量は生まれたときは400g程度で、1歳では約1040g、5〜6歳では1200gを上回るほどになっています(参照論文)。
4つの型の中では最も早熟なのです。
よく考えればそれも納得のことで、司令塔である脳や、外界の情報を取り入れる感覚器官、脳の信号を伝達する脊髄・神経などは、生きていくうえでは基本中の基本です。
最優先で発達させますよね。
リンパ系型
リンパ系型は、胸腺の重量変化を示しています。
胸腺はここですね。
免疫力の柱であるT細胞(キラーT細胞やヘルパーT細胞)が集まり育成されるのが胸腺なので、胸腺が育つことは免疫力が育つことと言えます。
思春期には20歳時の2倍くらいまで育ち、その後は落ち着いていきます。
母親の胎内という守られた環境から外に出て、自分の免疫で守る状況に置かれるので、リンパ系の急激な発達には納得できますね。
生殖器型
生殖器型は、陰茎や睾丸、子宮や卵巣などの重量変化を表します。
10〜12歳くらいまでは発育はほぼ止まっており、第二次性徴期とともに急激に100%に向かって成長していきます。
生殖して子を育てるには、身体的な頑強さと精神的な成熟がある程度は必要ですよね。
だから、それらの要件が整うまでは生殖器が発達しないのも理解できます。
一般型
一般型は、神経型、リンパ型および生殖器型のいずれにも属しないパターンを示しています。
筋肉や内臓などですね。
生殖器の発達と似た形ですが、一般型のほうが初期の発育度合いは高めです。
生殖と違って、年齢に関係なく使う器官が多いですからね。
リンパ型の例外
Scammonは4つの類型に分類しましたが、彼自身も例外を指摘しています。
例えばリンパ系型です。
リンパ系型に属するものには、胸腺の他に甲状腺、脳下垂体、副腎があるのですが、すべてが胸腺のようなカーブで発育するわけではありません。
ヒトの身体は複雑怪奇。
シンプルに分類できるものではないということですね。
まとめ
本記事では、スキャモンの発育曲線(発達曲線)を解説しました。
以下にまとめます。
本記事のまとめ
- スキャモンは、Richard Everingham Scammonのことで、アメリカの医学者・人類学者
- スキャモンの発育曲線は、ヒトの身体がどのように発達するかを模式的に表したグラフで、0歳時を0% 、20歳時を100%としてある
- グラフは4類型
- 神経型: 脳や脊髄など
- リンパ系型: 胸腺
- 生殖器型: 陰茎や睾丸、子宮や卵巣
- 一般型: その他、筋肉や内臓
- スキャモンの発達曲線には例外があり、リンパ系型の中でも甲状腺、脳下垂体及び副腎は、胸腺とは異なる曲線を描く