わかります。
英語教育の実施状況調査の記事で紹介したとおり、努力を重ねているものの、まだまだ全然足りません。。
『日本人は海外と仕事ができない』なんて揶揄されていますからね。。
日本の学校で英語を学んだところで。。と思われるのも仕方ありません。
本記事では、日本の英語教育の問題点とその原因をしっかり見つめます。
そのうえで、どのように改善したらいいのかを考察していきます。
日本の英語教育の問題点
日本の英語教育の問題点を以下の5つに絞り込みました。
ポイント
- 受験での点数獲得を目的にしている
- 学習開始の時期が遅すぎる
- コミュニケーションの機会が足りない
- 教員の海外経験が乏しい
- 産業界からの声が届いていない
解説しますね。
受験での点数獲得を目的にしている
中学受験、高校受験、そして大学受験。
人生において関門とされるこうした受験において、英語の成績が占める割合は低くありません。
むしろ、英語が主要な受験科目として課されている学校もあります。
ところが、受験のような一括採点システムでは、コミュニケーション能力を測ることが非常に難しいのです。
文法的に合っているかどうか、長文の中に書かれていることを読めるかどうか、なんていうことが評価の指標になってしまいます。
ここで、学校はいかに進学実績を高めたかで評価される傾向にあります。
これは紛れもない現実です。
なので、受験を突破するために、学校での授業が『受験で点を取るための勉強』になりがちです。
そう、お受験で評価される力を伸ばすことに特化しがちなんです。
その結果、『英語でのコミュニケーション能力』という、本質的に大切な力が見過ごされてしまうわけですね。
学習開始の時期が遅すぎる
スキャモンの発育曲線をご存知でしょうか?
人の発達の早さ示す曲線なのですが、大脳などの神経系は最も早熟なんです。
4歳くらいまでに8割成長するほど、早いんですよね。
母語をしっかり身につけるということも大事なのですが、英語の学習時期は早いほど身につけやすいわけです。
僕の姪っ子も、保育園で習ったというAppleの発音がネイティブすぎて驚きます。
ただ、早期英語教育の危険性も指摘されているので、参考に読んでみてください。
コミュニケーションの機会が足りない
英語は言語ですから、コミュニケーションツールです。
しかし、どうしても受験英語に特化してしまう結果、英語を使ったコミュニケーションを行う機会が足りなくなってきます。
そうすると、いざ英語を日常生活や仕事で使うとなった場合、あたふたして『TOEICの点数は高いのに、使えないなぁ。』とみなされてしまいます。
イマージョン教育のように、英語を学ぶのではなく、英語で学んでいくような教育がいいのかもしれませんね。
教員の海外経験が乏しい
英語の先生は、人に教えられるくらいですから、高い英語の能力が求められます。
ただ、教科書英語、お受験英語をみっちり勉強してきた英語の先生では、そういう英語になってしまいます。
先生が悪いというより、これは教育委員会や文科省の方針がよくないですね。
教員採用試験に合格して英語の教師として働くことが決まったら、半年間ほど海外に短期留学させるくらいの育成制度がほしいですよね。
産業界からの声が届いていない
僕は産業界で働いており、それなりに英語も使っています。
その中で感じるのは、TOEICの点数よりも英語でのコミュニケーションが最優先に必要だということです。
こうした産業界の声が学校教育に反映されていないと感じます。
産業界の声であれば、経団連を通じて経産省に伝えられ、経産省から文科省に伝えられるべきものと思いますが、どこで情報が止まっているんですかね。。?
縦割り行政の弊害なんでしょうかね。
問題の原因
これまで紹介した問題点を掘り下げてみると、原因がいくつか考えられます。
ポイント
- 学習指導要領
- 受験科目の評価方法
- 産学の連携不足
学習指導要領
公立の小中高の学校は、文科省が作る学習指導要領に基づいて教育を行います。
学習指導要領に基づかなければならないんです。
学習指導要領さえしっかりしていれば、公立の小中高ではしっかりした英語教育が行われます。
そして、悪いことに、学習指導要領は10年間に1回程度しか改訂されません。
10年間も経ったら、スマホやタブレットが当たり前になるくらい、時代が変わりますよ。
見直す期間が長すぎるので、時代の要請を適切なタイミングで反映できないのです。
受験科目の評価方法
受験を経験した身、そして産業界で英語も使って働いている身からすると、受験英語用の勉強は仕事には直結しないと感じています。
受験では、コミュニケーション能力が重視されていないんです。
代わりに、単語や文法、読解に関して問われます。
もちろん、語学ですから単語や文法がある程度身についていないと使えませんし、仕事で英語の文章を読む機会もあります。
ただ、肝心なのは英語を使ってコミュニケーションをとる力なんです。
産学の連携不足
産業界からアカデミアに対する声が届いていません。
少なくとも、産業が求める人材を育てるような学習指導要領にはなっていません。
文科省が作った学習指導要領に基づいて教育を行うという前提に立つと、産業界の要望が学習指導要領や受験に反映されるルートのどこかが断絶されています。
日本の英語教育の改善点
日本の英語教育の問題点の原因を考えたところで、対策を考えます。
ポイント
- 学習指導要領の迅速な改訂
- 受験科目の評価方法をコミュニケーション重視型へ
- 産学の連携強化
個別に説明します。
学習指導要領の迅速な改訂
学習指導要領はおよそ10年間に1回程度しか改訂されません。
これでは、変化の早い時代についていけません。
少なくとも5年間に1回にしたい。
頻繁に改訂されるのであれば、より速く、よりよくなっていくでしょう。
受験科目の評価方法をコミュニケーション重視型へ
受験科目の評価方法をコミュニケーション重視型に変更したいです。
読解や文法の比率を下げても構いません。
その代わり、面接の機会を増やしてコミュニケーション能力を測ってほしいです。
産業界ではE-mailでのやりとりも行われるので、Chat-GPTなどのAIチャットツールを使った『書いてやりとりする面接』も考えられるでしょう。
産学の連携強化
産業界の人材の要望を学習指導要領に反映する仕組みが必要です。
実はすでに、経団連から文科省に提言するルートがあるんです。
博士人材に関して経団連から文科省に提言したこともあるようです(参照)。
忖度しまくった丸い提言ではなく、英語を普通に使える人材を育てるための要望をしっかりと伝えたいですね。
要望を伝えつつ、学習指導要領がより高頻度に改訂されるのであれば、改善も早そうです。
子どもが取り組めること
公立の小中高での教育を改善する話をしてきました。
しかし、産業界で使える英語を身につけられるカリキュラムになるまで、時間がかかると予想されます。
そこまで何もせずに待つのはもったいないので、今から取り組めることを紹介します。
英語を家庭で流す
音楽や映画、ニュースなどをさりげなく流すことで、耳が鍛えられます。
子どもは親を見ているので、親がさも当たり前のように英語と一緒に暮らすと、子どもにとっても自然な環境になります。
子どもが好きな作品の音声を英語に切り替えるだけでもいいと思います。
英語でのコミュニケーションレッスンを受ける
小学校のうちから英語を効率的に学んで、コミュニケーションツールとして使えるようになるには、楽しくコミュニケーションをとることです。
読み書きをやらせても子どもは飽きますからね。
一つ紹介したいのは、4-12才向けの英語レッスン【NovaKid】という子ども向けのオンライン英会話です。
こんな特徴があります。
NovaKidの特徴
- 時間を節約できるオンライン
- 初心者から上級者まで対応
- 4歳〜12歳まで対応
- 経験豊富なネイティブ講師陣が対応
- CEFR(*)に基づいて作成されたカリキュラム
(*)Common European Framework of Reference for Languagesのことで、言語の習熟度や運用能力を測るヨーロッパの基準です。
【NovaKid】お試しレッスンもあるので、試してみて判断すればOKです。
オンラインという手軽な方法で、聞く力と話す力を鍛えられますし、外国人と接することへのハードルを下げられるのは大きいですよね。
ぜひNovakid公式サイトを見てみてくださいね。
まとめ
本記事では、日本の英語教育の問題とその原因、そして対策を説明しました。
以下の要点をまとめますね。
ポイント
- 日本の英語教育の問題点を以下と説明
- 受験での点数獲得を目的にしている
- 学習開始の時期が遅すぎる
- コミュニケーションの機会が足りない
- 教員の海外経験が乏しい
- 産業界からの声が届いていない
- 問題の原因を3つに特定
- 学習指導要領
- 受験科目の評価方法
- 産学の連携不足
- その対策として以下を提案
- 学習指導要領の迅速な改訂
- 受験科目の評価方法をコミュニケーション重視型へ
- 産学の連携強化
- 子どもが学校教育に依存せずに取り組めることを2つ紹介
- 英語を家庭で流す
- 英語レッスンを受ける