両者ともに特色があるので、共通点や相違点などをぜひ本記事で学んでいってくださいね。
お子さんに合う教育方法を取り入れていきたいですもんね。
シュタイナー教育とは
シュタイナー教育は、オーストリアの思想家ルドルフ・シュタイナーが提唱した教育哲学に基づく教育体系です。
1919年にドイツで最初の学校が設立されました。
シュタイナー教育は、子どもの全人的な成長を促進することを目的としており、学問的な内容だけでなく、芸術や身体活動を通じて子どもの創造性や感性を育てる点が特徴的です。
また、シュタイナー教育では、発達段階に応じた教育が重視されます。
幼児期から青年期までの成長を7年周期で3つの主要なフェーズに分け、それぞれの時期に合った学習内容と方法を提供します(参照記事;東京賢治シュタイナー学校)。
シュタイナー教育における発達段階
- 0〜7歳:身体を動かすことで意志の力を育む
- 7〜14歳:心を動かすことで感情の土台を育む
- 14〜21歳:頭脳を動かすことで思考の土台を育む
また、シュタイナー教育では評価方法としてのテストや成績表を避け、子どもの学習進捗や成長を教師が個別に観察し、記録します。
実際に、NPO法人横浜シュタイナー学園でのQ&Aでも、そのように回答されています。
Q5:点数による評価や評定は行わないのでしょうか?
A5:行いません。学年末には、それぞれの成果と課題が表現された文章と詩による通信簿が一人ひとりの子どもに贈られます。良い点数を取るためではなく、学ぶ喜びや発見の驚きが、子どもたちの心身を健やかに育てると考えるからです。年齢に即し、成長発達段階に合ったテーマを与え、芸術的な方法を通して学ぶときに、子どもの内面から学ぶ意欲が生まれます。
モンテッソーリ教育とは
モンテッソーリ教育とは、イタリアの女性医師マリア=モンテッソーリが創設した教育体系であり、子どもの自己教育力を信じ、育つための環境を整えることで成長をサポートする点に特徴があります。
『自己教育力』と『環境』が大事なポイントです。
創設されたのは20世紀初頭のことなので、シュタイナー教育と同様に、もう100年以上の歴史があるんですよ。
詳細に関しては、ぜひモンテッソーリ教育の解説記事をご覧ください。
シュタイナー教育とモンテッソーリ教育の共通点と相違点
シュタイナー教育とモンテッソーリ教育は、
しかし、その教育理念やアプローチには重要な違いがあります。
共通点
両教育法は、いずれも20世紀初頭に誕生し、子どもの発達を重視する独自の教育哲学を基盤としており、また、子どもの個性や成長段階に応じた教育を提供することを重視します。
シュタイナー教育では、芸術や創造性を通じた全人的な学びを目指し、子どもの心、体、精神の調和的発展を支援します。
先ほども説明したとおり、7年ごとに段階を分けていますよね。
一方、モンテッソーリ教育は、子どもが自発的に学びを進められる環境の構築を強調し、感覚を通じた体験を学びの基本とします。
発達段階を4つに分けて考えており、特に『敏感期』を定義している点が特徴ですね。
発達段階に合わせて教育の内容をアレンジしていきます。
発達の4段階に関しては、『できるが増える モンテッソーリ教育の秘密』が参考になります。
相違点
シュタイナー教育は、『年齢別カリキュラム』という明確な時間軸に基づき、創造的表現やリズムなどを重視したアプローチを取ります。
授業には特定の教科書がなく、教師が独自に構成した内容が中心です。
また、教師と保護者の密接な連携も特徴です。
一方、モンテッソーリ教育では、教材や環境が極めて重要な役割を果たし、子どもが自分で選んだ課題を自由に進める『自己主導的学習』が基盤となります。
モンテッソーリ教具を使い、具体的な体験を通して論理的思考力を育むことに重点を置いています。
特にこの『教具』に関しては特筆すべきものがありますね。
教具がどうやって使われるか、『マンガでやさしくわかるモンテッソーリ教育』が参考になりますよ。
シュタイナー教育とモンテッソーリ教育の実績
シュタイナー教育の実績
シュタイナー教育は世界中で多くの学校に導入され、学術的な成果に関しては、創造性や表現力、自己調整力の向上が強調されています。
具体的には、2021年5月のデータでは、全世界で3000を超える学校や幼稚園がシュタイナー教育を導入しています(参照サイト)。
特に有名人が多いわけではないのですが、斎藤工さんやサンドラ=ブロックさんなどがシュタイナー教育を受けて育ちました。
モンテッソーリ教育の実績
モンテッソーリ教育は、日本でも特に幼稚園や保育園で広く採用され、保護者の間で高い評価を得ています。
正確ではないと前置いていますが、日本モンテッソーリ教育綜合研究所が国内のモンテッソーリ教育の学校をリストとして公開してくれています。
モンテッソーリ教育を受けられるインターナショナルスクールも紹介してあるので、参考にしてみてください。
全世界としては、小中学校で数万と言われているようです(参照)。
数においては、モンテッソーリ教育が圧倒的ですね。
有名人も多く輩出しています(モンテッソーリ教育を受けた有名人)。
普及の程度としては、モンテッソーリ教育に軍配が上がりますね。
モンテッソーリ教育とシュタイナー教育を選ぶ際のポイント
モンテッソーリ教育とシュタイナー教育の選択は、各家庭の教育理念や子どもの特性に基づいて決定することが重要です。
以下に、選択時に考慮すべきポイントを挙げます。
選ぶポイント
- 子どもの特性理解
- 家庭の教育方針との一致
- 学びの環境や教師との相性
子どもの特性理解
モンテッソーリ教育は、自己主導的な学びを促進し、環境との関わりを通じて実践的なスキルを習得することを重視します。
このため、好奇心が強く自ら学びたがる子どもに適しています。
一方、シュタイナー教育は、創造性や芸術性を育むことに重点を置きます。
創造的な活動や表現が得意な子どもには特に適しているでしょう。
家庭の教育方針との一致
家庭が重視する教育方針も重要です。
たとえば、実践的で現実的なスキルを学びたい場合はモンテッソーリ教育が適している一方、哲学的・精神的な価値観を重視する家庭にはシュタイナー教育が合うかもしれません。
学びの環境や教師との相性
教育環境も選択の決め手となります。
モンテッソーリでは子どもが自ら選択できる教具が多く提供され、細やかな観察を行う教師が重要な役割を果たします。
モンテッソーリの教具は色々と販売されているので、手に取って試してみるのもよいと思います。
一方、シュタイナー教育では教師が子どもの個性を深く理解し、長期的な成長をサポートすることを重視します。
実際のプログラムを体験
どちらの教育法も、多様な学校や施設が実践しています。
オープンスクールや説明会に参加し、実際の教室やプログラムを見学したり体験することで、子どもに最適な教育環境を判断できるでしょう。
モンテッソーリ教育は気持ち悪いなんていう意見も見られるので、確認はしたほうがいいですね。
まとめ
ここまでお読みくださり、ありがとうございます!
本記事では、シュタイナー教育とモンテッソーリ教育とを比較してみました。
選ぶ際の参考になったらうれしいです。
以下、まとめです。
本記事のポイント
- シュタイナー教育とは、オーストリアの思想家ルドルフ・シュタイナーが提唱した教育哲学に基づく教育体系であり、芸術や身体活動を通じて子どもの創造性や感性を育てる
- モンテッソーリ教育とは、イタリアの女性医師・マリア=モンテッソーリが創設した教育体系であり、子どもの自己教育力を信じ、育つための環境を整えることで成長をサポートする
- シュタイナー教育とモンテッソーリ教育の共通点
- 子どもの個性や成長段階に応じた教育を提供することを重視すること
- シュタイナー教育とモンテッソーリ教育の相違点
- シュタイナー教育は、『年齢別カリキュラム』という明確な時間軸に基づき、創造的表現やリズムなどを重視して、教師がカリキュラムを構成
- モンテッソーリ教育は、子どもが自分で選んだ課題を自由に進める『自己主導的学習』が基盤
- シュタイナー教育の実績
- 全世界で3000を超える学校や幼稚園がシュタイナー教育を導入し、斎藤工さんやサンドラ=ブロックさんなどが輩出された
- モンテッソーリ教育の実績
- 全世界としては、小中学校で数万にものぼり、有名人も多く輩出
- モンテッソーリ教育とシュタイナー教育を選ぶ際のポイントとして以下を紹介
- 子どもの特性理解
- 家庭の教育方針との一致
- 学びの環境や教師との相性
- 実際のプログラムを体験